子猫を迎えた場合
母子免疫について
生まれたばかりの子猫は体力もなく、感染症に対してとっても無防備です。そこで、お母さん猫は母乳の中に「感染症に対する抵抗力(抗体)」を入れて、それを飲んだ子猫が生まれてからしばらくの間、感染症にかかりにくくなるようにしてあげているのです。そのお母さん猫からのプレゼントが母子免疫です。
ですが、残念なことに母子免疫はそう長くは続きません。生後60日〜120日ごろ(FIVは180日)になると消えてしまうのです。
母子免疫とワクチンの関係って?
母子免疫の代わりに子猫を感染症から守るのが、動物病院で接種してもらうワクチンです。しかし、ワクチンは母子免疫があるときに接種特徴があります。
ですから子猫を感染症から確実に守るためには、母子免疫とちょうど入れ替わるタイミングでワクチンを接種したいのですが、母子免疫がなくなるタイミングはそれぞれの子猫によって違い、外から見てもわかりません。そこで動物病院では、まず母子免疫が少なくなりはじめる生後8週齢以降に1回ワクチンを接種し、その後3週〜4週間あけて追加して接種するのです。
ただし、子猫を小さい時に拾ったりお母さん猫の母乳を飲んでいない場合は、母子免疫が少ない可能性が高いので早めにワクチン接種をしてあげましょう。このようにして子猫が感染症になるスキをあたえないようにしているのです。
哺乳と離乳、発育期の食事について
母乳には子猫を病気から守るための大切な成分(抗体)が含まれています。子猫はできるだけ母乳で育てましょう。しかし、小さい時に拾ったり親のいない子猫で母乳が足りないときには、お母さん猫の代わりに人間が猫用の人エミルクを哺乳瓶で飲ませてあげましょう。
ただし、猫の母乳は牛乳とは成分が異なるため、子猫に市販の牛乳は飲ませないほうがいいですね。
子猫は生後3週齢ごろに乳歯が生えはじめるので、その頃から離乳食をはじめます。まずお皿から食べることを練習させてみましょう。その後、舐めて食べられるような、柔らかくて栄養たっぷりの消化のよい子猫用のフードを1日数回食べさせてあげましょう。子猫の成長に合わせて離乳食の割合を増やしてあげましょう。
発育期の食事って?
発育期とは、言葉どおりどんどん大きくなっていく時期です。大きくなるためにはさまざまな栄養がたくさん必要です。そのため、体の基礎が作られるこの時期、子猫の急激な成長に合わせて良質のたん白質を主とした、バランスの良い食事を摂ることが大切になります。エネルギーは同じ体重の成猫よりも多く必要ですが、特定の栄養素だけが過剰になったり不足しないように注意しましよう。また、子猫はまだ一度にたくさん食べることができないので、食事は1日何回かに分けて食べさせてあげたほうがよいでしよう。